布団クリーニングの疑問

猫や犬がおしっこした布団はきれいになる?洗い方と予防法

猫や犬はとてもかわいいけれど、もしも布団におしっこされてしまったら・・・
気軽に洗うことができないだけに大変な事態です。


おしっこされてしまったら、どんな対応をすればいいの?
クリーニングに出すときれいになるの?
繰り返さないようにするには?

ペットと楽しく暮らすために必要な、布団へのおしっこ対策をご紹介します。

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悩む猫

まずは応急措置!

布団におしっこされたことがわかったら、まずは何をするべきなのでしょうか?


おしっこされてしまったら最初にやるべきこと

布団の種類によらず、まず最初にするのは拭き取りです。
きれいな雑巾やいらない布を使っておしっこされてしまった部分の水分を取り除きましょう。


その後、水に濡らして固く絞ったタオルでさらに拭き取ります。

それから布団を陰干しして乾かします。
太陽に当てると汚れが酸化・定着してしまい、シミとなってしまいますので、陰干しするのがポイントです。


羽毛の掛け布団の場合、側生地(布団の中綿を包んでいる生地)には、羽毛が外にはみ出ないようにする「ダウンプルーフ加工」がされていますが、防水加工ではありません。
そのため、おしっこは中綿に染み込んでしまうことがほとんどです。
まずはよく乾かしましょう。

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応急措置だけで洗わないと・・・

表面を拭きとって乾かした後、その布団は洗わなくても大丈夫なのでしょうか?


答えはNO!
拭き取った後、洗濯やクリーニングできちんとおしっこの汚れを落とす必要があります。


放っておくと、後からアンモニアの臭いがきつくなることもありますし、人間には臭いがわからなくても鼻のよい猫や犬には臭いがわかります。
そうすると繰り返し同じ布団の上でおしっこをされる原因にもなってしまうのです。


また、敷布団の側生地は、すぐに拭き取りしたとしても中綿におしっこが染み込んでいる可能性が高くなります。
シミになったり、臭いもつきやすいので、なるべく早くクリーニングなどで洗う必要があります。


除菌消臭スプレーがおすすめできない理由

そんなに臭いがしないから、と除菌消臭スプレーをかけて済ませてしまうことは全くおすすめできません。


理由の一つは安全性。
人間が耐えられる成分も、ペットにとっては毒になってしまうことがあります。


もう一つの理由は、除菌消臭スプレーの成分であるアルコールと糖。
アルコールで雑菌を殺し、糖で臭いを包みこんで臭いを消す仕組みですが……
かけすぎると糖が酸化して、ますます臭いを発するようになってしまいます。

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おしっこされた布団をきれいにする方法

それでは、応急措置のあと布団をきれいにする方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
自宅で洗う場合、クリーニングの場合、そして「ペットのおしっこ、コインランドリー直行はNG!」のお話について詳しく解説します。

洗剤

まずは、『自分で洗って良い布団なのか?』を判断する

クリーニングは高いから自分で洗いたい! 自分で洗う方法が知りたい!
このページを見ていらっしゃる方の大半はそう思っていると思うんですが、これだけは先に言わせてください……!
そもそも、だいたいの布団ってご家庭で丸洗いしちゃいけないものなんです!
なぜかと言うと、すすぎと乾燥でデメリットが大発生するから。
この話はなぜかネット上であまり出てきませんが、後述で詳しく解説します。
しかも洗濯で布団の中の綿がヨレると、あとからほぐすことができないので要注意!


じゃあ反対に、自分で丸洗いして良い布団って何なのか?
「ウォッシャブル布団」「キルティング加工されている布団」です。
こういった布団は、中綿がヨレないように、自分で洗って干しても問題が起きにくく設計されています。


ウォッシャブル布団でも、キルティング加工されている布団でもなかった方はクリーニングへ。
自分で洗える布団を持っている方、どうしてもクリーニングに出したくない方は、続く「自宅で部分洗い」「自宅で丸ごと踏み洗い」「洗濯機で丸洗い」「ペットのおしっこ、コインランドリー直行はNG!」をご覧ください。

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自宅で部分洗い

濡れているのが広範囲でない場合に、汚れた部分のみを手洗いする方法です。
おけ等にぬるま湯を溜め、中性洗剤を溶かして洗浄液を作り、その中で側生地(布団の中綿を包んでいる生地)の汚れている部分だけを指先でつまんで擦って洗います。
洗った後は干して、よく乾燥させます。


この方法は、コストは安く済みますが、次のようなデメリットがあります。

・中綿まで染み込んでいる場合はきれいに洗えない

・布団が大きいため一部分だけを上手に洗うことが難しい

・洗った部分だけが逆にシミのようになってしまうことがある

・「ドライクリーニング」や「水洗い不可」になっているものを無理に洗うと色が流れたり、布団が傷んだりする


熱湯をかけないでください! 強烈に傷みます!

猫のおしっこの強烈な臭いを消す方法としてご家庭でできる処置を調べると、「熱湯をかける」という話を目にするかと思います。
これ、羽毛布団には絶対にしないでください!


熱湯をかけるとおしっこの臭いの成分を分解できると言ってオススメしているようなのですが……
臭い退治のために熱湯で何をしようとしているかというと、一つは「フェリニン」という猫のおしっこ特有の成分の分解。そして「コーキシン」という尿に含まれるタンパク質を壊そうとしています。
しかし、忘れてはいけないのは羽毛の主成分も「ケラチン」というタンパク質だということ!


タンパク質は高温で壊れるので、一緒に羽毛布団まで傷むのは当然です。
また、熱湯をかけると傷むだけでなく、羽毛の油分は失われ、せっかくの保温効果が失われてしまいます。
一度傷んでしまったものは、もう元には戻りません。

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自宅で丸ごと踏み洗い

お風呂にぬるま湯をはり、洗剤を入れて洗浄液を作ります。
そこに、たたんだ布団を入れ、足で踏みながら丸洗いする方法もあります。


この方法も、コストは安く済むものの、以下のようにいろいろな問題点があります。
失敗してしまうことも多いので充分な注意が必要です。


・中綿まで上手に洗えない

・中途半端に洗うとかえっておしっこが布団全体に広がってしまう

・すすぎを完全にするのが難しい

・脱水が難しい、人力では絞りきれない

・水を吸った布団が重くて運べない

・乾かすのに何日間もかかってしまう

・乾燥に失敗し、生乾きの臭いが付いたり、布団が固くなったりしてしまう

・中綿がヨレたり割れたり潰れたりすると、布団の外から元に戻すことができない(できそうな気がするかもしれませんが、洗いと乾燥の段階で失敗しているので後からほぐれません)

・「ドライクリーニング」や「水洗い不可」になっているものを無理に洗うと色が流れたり、布団が傷んだりする


洗えても乾燥が難しい!

自宅洗いとクリーニングの大きな違いは「乾燥」。
単によく乾くか・水が切れるかどうかだけではありません。


布団クリーニング店では、布団が中で回る程大きな乾燥機でタンブリング乾燥させるので、中までしっかり乾かすことができます。
ご家庭で起きがちな生乾きの異臭やカビなどの問題が起きないのはこの為です。


デアでは、そこからもう一歩乾燥にこだわり、より丁寧な乾燥方法(吊るし干し)と仕上げ乾燥(タンブリング乾燥)を組み合わせて布団をふわふわに仕上げています。
一般的な布団クリーニング店では、湿った布団をそのまま乾燥機に入れてしまいます。
そうすると中綿のよじれが出たり、堅くなったりしてしまいます。
そこで、デアでは主な乾燥時には清潔な乾燥室に吊るして静かに干し、仕上げで縦回転させながらタンブリング乾燥させることで、布団を傷めず・中綿はふわふわにほぐすことができます。

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洗濯機で丸洗い

洗濯機で洗える物には条件があります。

1.「ウォッシャブル」もしくは「キルティング加工されている」布団かどうか。
  洗濯機では特に強い力が加わる為、上記のような自宅で洗える布団でないと中綿がヨレてしまいます。

2.洗濯機で洗えるサイズかどうか。大きい物は洗えません。


こちらもコストは抑えられます。
ただし、狭いなかで丸めて洗うため、以下のような問題点があります。


・丸めた内側の汚れや臭いが上手に落とせない

・すすぎが充分できず洗剤が残って臭いやシミの原因に

・脱水で中綿が偏ってしまう

・乾燥に失敗し、生乾きの臭いが付いたり、布団が固くなったりしてしまう

・天日干しで充分乾燥しても、中綿や羽毛がよれてしまう


ペットのおしっこ、コインランドリー直行はNG!

洗濯機で洗えないサイズの布団。
つい「大型コインランドリーで洗えば良いのでは!」と思ってしまいがちですが……
残念ながら一般的に、コインランドリーではペット用品や、し尿・汚物が付着した物は洗えません。
次に使う人のことを考えて、ペットのおしっこがついた布団はコインランドリーに持ち込まないようにしましょう。
もしどうしてもコインランドリーを使いたい場合は、おしっこがついてしまった部分を自宅で先に洗って汚れを落としてください。


コインランドリーの場合、自宅の洗濯機と同様丸めて洗うことになるため、汚れや臭いを完璧には落とせません。
また、布団を快適に仕上げるには、洗ったあとの乾燥が重要。
羽毛布団にしても敷布団にしても、乾燥に失敗してしまうと、生乾きの臭いがついたり、中綿が固まってしまうなど、取り返しの付かない事態になってしまうことも。


コインランドリーの乾燥機は一般的に、繊維に合わせた温度設定が出来ません。
そのため高温で繊維が縮んだりしてうまくいかないことも多いのです。


コインランドリーで洗う際の注意点については、下記の記事も参考になさってください。
→布団クリーニングとコインランドリー、どちらがお得?

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布団クリーニング

最もおすすめしたいのは、布団クリーニングに出してプロにきれいに洗ってもらうことです。

それなりの費用はかかってしまいますが、布団の材質に合わせた洗い方と乾燥方法で、丁寧に洗う業者に依頼すれば、中綿の汚れまで落ち、嫌な臭いも消すことができます。


お店選びのポイントは4つ。

1.水洗いしているかどうか
  おしっこは水溶性の汚れなので、ドライクリーニングではなく水洗いでよく落ちます。

2.ぐるぐる巻いて洗っていないかどうか
  巻いて洗うと中までよく洗えません。

3.事前の予備洗い(下洗い)をしてくれるかどうか
  おしっこの汚れは、洗浄機に入れる前にしっかり洗ってくれる店を選びましょう。

4.乾燥の仕方にこだわっているかどうか
  高温で長時間乾燥させると布団が傷みます。
  低温乾燥や自然乾燥でゆっくり乾かし、仕上げの乾燥でふっくらしっかり乾かすお店がおすすめです。


巻いて縛って洗うクリーニング方法では中綿までは綺麗になりません。
しっかり1枚ずつ洗ってくれる専門店を選ぶことで、おしっこの汚れだけでなくペットを飼っていると気になるダニやノミも一掃できて一石二鳥です。


もちろんきちんと乾燥させるので、生乾きの嫌な臭いの心配もありません。
仕上げ乾燥でタンブリング乾燥を施しているお店では、特にふっくらとした仕上がりになります。


デアの布団クリーニング

クリーニングもお店によってお値段・洗い方は様々。
布団クリーニングの専門店、デアのこだわりを少しだけご紹介します。







少しお値段がかかりますが、そのぶん専門の職人が布団1枚1枚を手洗いし、目立つ汚れには個別に対応します。
布団を巻いて洗う方法ではなく、手作業&ジェット水流式洗浄・脱水機で気になるダニやホコリも芯からしっかり洗い上げます。
合成洗剤を使わないのは当店のこだわり。
天然石けんは成分に安心できるだけでなく、お湯で溶いて泡立てることで強力な洗浄力を発揮します!

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布団クリーニングで臭いが取れないケース

布団クリーニングに出しても臭いが取れなかったという場合、洗い方が合っていなかった可能性が考えられます。


・ドライクリーニングした

おしっこの臭い成分であるアンモニアは水溶性です。水洗いでないと取れません。


・すし巻き状にしてほかの布団とまとめ洗いした

丸めた内側の汚れや臭いが残ってしまいます。


・予備洗いしていない

汚れや臭いが強い部分だけ、ブラシをかけて予備洗いしないと落ちません。


・長時間放置した

放置すればするほど臭いはしみつき、変質します。クリーニングに出す場合も油断せず早めの対処が肝心!


また、ペットのおしっこの強い臭いを分解するには、特別な対応が必要な場合も。

ホームページなどを確認して、ペットのおしっこのついた布団クリーニングに実績のある業者を選ぶことも大切です。


デアでは、ペットのおしっこの臭いも分解するEM菌を含んだ100%天然石けんによる手洗いを、1枚1枚丁寧に行います。
また、脱水時にジェット水流式の専用マシンを使うことで、布団の中綿までしっかり洗浄します。
クリーニングの工程は以下のページをご覧ください。

→デア布団クリーニングの工程

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打ち直しまたは買い替え

側生地が破れかけていて中綿が出てしまいそうな場合、布団クリーニングに出すことができません。
その場合、側生地の補修や側交換で対応できる場合もあります。


長く汚れを放置してしまい、クリーニングでもきれいにならない、中綿の臭いが余りにもひどい、古くなって固くなってしまっている場合などは、布団の打ち直し(リフォーム)または買い替えを検討することになります。


ただし、打ち直しも買い替えも、それなりに費用がかかります。
本当に布団クリーニングで解決することができないのか、見極めるためにクリーニング業者に相談してみるのもひとつの方法です。
判断基準については、以下の記事も参考になさってください。

→布団クリーニングと新しい布団の購入、どっちがいい?

→布団クリーニングと打ち直し、どっちがいい?

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今後の粗相を防ぐには

せっかくきれいにした布団、またおしっこされてしまった!!ということのないようにしたいものです。
今後の粗相を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?

おしっこしてしまう原因は?

原因はしつけの問題だけではありません。
トイレが汚い・環境の変化などストレスを感じている・泌尿器系の病気にかかっているといったときに、粗相をしてしまうことがあります。
飼い主さんに気付いてほしい、抗議しているという場合があるので、注意が必要です。
一度、動物病院に相談してみましょう。


また、布団のにおいが原因になることもあります。

羽毛布団や羊毛布団には、鳥や羊の毛の匂いがついています。
人間には感じ取れなくても、猫や犬はその動物の匂いを感じ、反応してしまうことがあるようです。
何度も粗相をしてしまう場合は、布団の感触が気に入ってしまった・トイレの場所として覚えてしまったということも考えられます。


発情期の猫のおしっこは、お相手を引き寄せるために臭いを発散します。
この臭いはマーキングになるほど強烈で取れにくいため、特別な消臭加工が必要になります。

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防水・撥水カバーで予防

粗相癖の根本を治す物ではありませんが、防水・撥水機能のあるカバーで布団を守るという手段もあります。
「おねしょシーツ」「防水カバー」といった製品です。


【「撥水」性能の注意】
ビニールシートのような素材の物は水分を強くはじきますが、粗相の場所によっては尿や嘔吐物が流れてしまうことがあります。
また、防水性の高いカバーはそれだけ布団の湿気もこもりやすく、温度が上がりやすい・乾きにくい・重量や質感など使い心地の好みが分かれる部分があります。
完全防水の場合は、洗濯機での洗浄はおすすめできません。
水を通さないので脱水時に負荷がかかり、悪ければ洗濯機を壊してしまうことも……


【二重構造のカバーの注意】
表面は吸水性のあるタオル地などでできていて、布団に触れるカバーの内側の層が撥水・防水に優れた素材でできている二重構造のカバー。
こちらは素材によってはガサガサした音がしにくく、表面の水分を吸水してくれるので流れず安心できますが、安価な物は防水コーティングが弱い場合があり注意が必要です。


手軽に洗いたい場合は洗濯機洗いOKの物もありますが、カバーも布団と同じで、丸めて洗えば中まで洗えず汚れが残ってしまいます。
洗濯機にそのまま放り込むのではなく、きちんと事前に下洗いしましょう。
また、されてしまった粗相は長時間放置せず、なるべく早く処理するようにしましょう。
放置すると臭いが染みついたり、シミの原因になったりします。


布団全体を覆ってくれる両面タイプ、布団の上から掛けるような片面タイプ、両面タイプに似た側面の通気性を良くしたもの、バンドで固定できるもの。
様々な種類があるので、お好みや生活習慣・ペットの癖に合わせて選んでください。


洗浄を繰り返せば劣化するため、防水・撥水の効果が弱くなってきたら買い換えるようにしましょう。

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まとめ

いったんおしっこの匂いが付いてしまうと、繰り返し同じ場所でしてしまうケースがよくあります。
布団クリーニングなどを利用して、極力、匂いを取り除くことが肝心です。

また、トイレの状態やストレスなど、原因となっていそうなことがあれば改善していきます。
昼間は布団を敷きっぱなしにせずにしまうことで、粗相される可能性を減らすことも大切です。


布団をきれいにしたい! でも洗濯を失敗したくない!
そんな時はプロの手を借りるのが一番です。
コストはかかってしまいますが、ペットのためにも、快適な睡眠のためにも一次しのぎでない対策をしておきましょう。

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