ダニアレルギーを防ぐ!布団クリーニングでダニを徹底駆除できる?
家の中で最もダニのすみかとなっている布団。「駆除したほうがいいと聞くけど、特に何の症状もないし、別にいいか」と思っていると大変なことになるかも?!
布団にダニがつくことの影響や、徹底的に駆除する方法、布団クリーニングでダニ駆除をするメリットなどをご紹介します。
こんなに怖い布団のダニ
布団のダニをほっておくと、いったいどんな影響があるのでしょうか?
ダニが一番増える季節は
ダニが一番増えるのは、気温があがる5月から7月です。梅雨の前から増え始めて、梅雨時期に爆発的に繁殖します。
その後、気温が下がる秋にかけて繁殖した多くのダニが死骸となります。ただし最近では寒くなっても家の中は温かく、ダニが一年中減らないことも。
ダニは以下の4つの条件で繁殖します。
湿度
60%以上の湿度を好みます。
温度
20度~30度が繁殖する温度。55度を超えると死滅します。
栄養
フケや皮脂などのタンパク質汚れ、カビ、ホコリなど、さまざまなものを栄養源とします。
すみか
ダニが生きていくには卵を産む場所が必要です。畳、ぬいぐるみ、ソファなどいろいろな場所がすみかとなります。
家の中でダニが一番いる場所は布団
そして、上記の4つの条件をどんぴしゃで満たすのが「布団」です。
温かい
人のぬくもりで温度が上がります。
汗を吸う
就寝中に体から出る汗はコップ1杯以上。汗によって布団が湿り、布団内部の湿度が高くなります。
過ごす時間が長い
1日の生活の中で約1/3を過ごすため、ダニのエサとなる人のフケやアカが蓄積しやすくなります。
面積が広い
布製品の中でも面積が広いため、たくさん繁殖できます。大きくて重いため頻繁に洗濯や掃除がしにくいのも繁殖しやすい一因です。
住みやすい構造
側生地に中綿が包まれていて「隠れ家」のようになり、内部に隠れやすい構造になっています。
ダニの種類
家の中に住み着くダニにはいろいろな種類がいますが、実は、人を刺したりかんだりして痒みが出るダニはほんの一握りです。家の中にいるダニには主に以下のような種類があります。
ヒョウダニ
チリダニの一種で、布団に住み着くダニの9割以上を占めると言われています。体長は0.3~0.4ミリ。人を刺したりかんだりすることはありません。
ただし、ヒョウダニの糞や死骸に含まれているシステインプロテアーゼという酵素がアレルギーの原因となります。
ツメダニ
ヒョウダニが増えると、それをエサにするツメダニを引き寄せます。ツメダニは人を噛み、痒みをひき起こします。
布団のダニを放置するとアレルギーの原因に
このように、布団に住み着いているヒョウダニは人をかんで痒みを与えることはありません。しかし、生きているダニは糞をしたり、やがて死んで死骸となります。
実は、その糞や死骸が生きているダニよりも厄介。強力なアレルゲンとなって次のようなアレルギー疾患をひき起こすのです。
気管支ぜんそく
呼吸をする際に空気の通り道になる気管支に炎症が起きており、何らかの刺激で発作を起こすと、粘膜が腫れたり痰がたまって、気管支の内側が狭まり、呼吸困難に陥ります。
発作を起こす刺激のひとつに、ダニのアレルギーがあります。
アトピー性皮膚炎
かゆみや湿疹が慢性的に身体に出ます。ダニの死骸や糞が原因のひとつとされています。
アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎
くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみや、充血、目のはれが出ます。ダニの死骸や糞が空気中に舞い上がるハウスダストが主な原因とされています。
このようなアレルギー疾患の9割はダニが原因とも。特に、1日の3分の1と長い時間を過ごす布団にダニがいると、長い時間、アレルゲンにさらされることになります。
今は症状がなくても将来的に発生しやすくなったり、今出ている症状が重くなったりする可能性もあるのです。
現代は、食生活や住環境の影響で昔よりアレルギー疾患がおきやすい状況になっているといわれます。自分だけは大丈夫、とは言えなくなっています。
布団からダニを徹底駆除するには?
ではどうしたら、布団からダニを徹底的に駆除できるのでしょうか?
生きているダニ、死骸、糞のすべてを駆除する
覚えておきたいのは、「生きているダニや卵」「ダニの死骸や糞」のすべてを駆除することが大切だということです。そのため、以下の3つのステップで駆除していきます。
生きているダニを殺す
まずは生きているダニを殺すことが必要。生きているダニ(成虫・幼虫)が残っていると、それが糞を出したり、やがて死骸となりアレルゲンとなってしまいます。
また、ダニは一生のうちに200~300も卵を産みます。いったんダニがついてしまうと、それを殺さない限り、長い期間、ダニが布団で生き続けることになるのです。
ただし、生きているダニの生命力は強力。55度以上の熱を加えないと死滅しません。たとえ、自宅で洗濯しても完全に死ぬことはないのです。
残った死骸や糞を除去する
生きているダニが死骸となった後は、残った死骸や糞を取り除くことが重要。死骸や糞が強力なアレルゲンです。
新たにダニがつかないよう予防する
生きているダニ、糞、死骸がすべてきれいになったら、新たなダニがなるべく付かないように予防をします。
駆除方法はいろいろあるけれど
ダニを駆除する方法はいろいろありますが、「生きているダニ」「ダニの死骸」「ダニの糞」のすべてを駆除することができるのでしょうか?
天日干し
ダニ対策に有効と言われる布団の天日干しですが、実は、生きているダニを駆除することはできません。ダニが死滅する温度は55度以上と高温。天日干しではとてもそこまでの高温にすることはできません。
ただし、ダニが増えないよう布団の湿度を下げるには天日干しが有効です。
布団乾燥機
機種にもよりますが、布団乾燥機では60度程度まで布団の温度を上げられるとされています。中綿までしっかり60度まで温度を上げられれば、ある程度ダニが死滅するので有効です。
ただし、ダニは温度の低い布団の裏側へ移動してしまうため、まんべんなく温度を上げることが必要です。一度ですべて死滅させることはできないので、こまめに何回もかける必要があります。
また、布団乾燥機をかけた後、残ったダニの死骸や糞をしっかり除去することが大切になります。
掃除機
掃除機をゆっくり丁寧にかけることで、表面についたダニの死骸や糞を吸い取ることはできます。
生きているダニは、掃除機をいくらかけても繊維にしがみついて取れません。
布団クリーナー
掃除機同様、面についたダニの死骸や糞を吸い取ることはできますが、生きているダニは取れません。紫外線などを出すタイプもダニを殺す効果はありません。
洗濯
布団を丸ごと洗濯すると、ダニの死骸や糞は洗い流すことができます。また、生きているダニもある程度は死滅させることができます。ところがダニの一部は洗濯をしても生き延びています。
生きているダニを完全に駆除するのは難しい
どの方法も、生きているダニを完全に死滅させることは難しいことがわかりました。そこでおすすめなのが、プロの力で布団をきれいにしてくれる布団クリーニングです。
布団クリーニングの効果
布団クリーニングはダニに対してどれぐらいの効果があるのでしょうか?
殺ダニとアレルゲン除去を一括で
生きているダニは熱に弱く、死骸や糞などのアレルゲンは水溶性のため洗濯で洗い流せます。
デアのふとん工場でクリーニングを行なうと、ダニ・ダニの糞や死骸の90%以上は水洗いの過程で、洗い流すことが出来ます。
生き残ったダニは、120℃で50分乾燥機にかける「高温乾燥」の過程で死滅します。そのとき残ったダニの死骸や糞は、仕上げ乾燥機で吸引し、アレルゲンを残さないようにします。
ダニの栄養となる汚れも取れる
ダニは人の汗や皮脂汚れ、カビなどを栄養源として繁殖します。このような汚れは、いくら布団カバーをかけて使っていても、中綿まで染み込んでしまうもの。中綿まで染み込んだ汚れを取るには、布団クリーニングが一番です。
汚れをしっかり取ることで、ダニの栄養源をなくし、繁殖しにくくすることができます。
ドライクリーニングは効果なし
なお、クリーニングには、水で洗う「水洗い」以外に、有機溶剤を使って汚れを取る「ドライクリーニング」もあります。
布団につく汚れ、汗汚れはダニの餌となります。そのほとんどは水溶性のもの。水溶性の汚れはドライクリーニングでは、ほとんど落とすことができないのです。そのため、クリーニングに出すときは水洗いしてくれる業者を選ぶことが大切です。
まとめ洗いでなく、個別洗い
また、水洗いのやり方も業者によって異なります。
ぐるぐるまきにした複数の布団を大きな洗濯機に入れて一気に洗う「まとめ洗い」と、1枚ずつ手洗いで洗う「個別洗い」があります。
まとめ洗いでは、巻いた内側の汚れやダニアレルゲンは落とすことができません。これは、家庭の洗濯で、丸めた洗濯物の内側が上手に洗えないのと同じ。個別洗いでしっかり全体の汚れを落としてくれる業者を選びましょう。
デアでは、1枚1枚丁寧に布団を洗う個別洗いを行っています。
なお、布団クリーニング業者の選び方について、詳しくは下記の記事をご参照ください。
ダニの予防策
いったん布団からダニやアレルゲンを除去した後は、なるべくダニが増えないよう予防しておきましょう。
ダニが増える環境を避ける
最初にご紹介したとおり、ダニが増えるのは湿度と温度が高く、栄養となる汚れやカビがあるときです。そのような条件をなるべく減らしていくことで予防します。
・寝室の掃除をこまめにする
・寝室に洗濯物を干さない
・寝室の換気をして風通しをよくする
・床に直接布団を敷かない
・シーツは週1回以上洗濯する
こういったことで、湿度を下げ、栄養となる汚れを減らすことが重要です。
天日干し
天日干しでダニを殺すことはできませんが、湿気を飛ばし、増えにくくするには有効です。
干した後に布団を叩くのは厳禁。死骸や糞が細かくなり、気管に吸い込みやすくなってしまい逆効果です。
防ダニシーツ
布団に防ダニシーツをかけることで、布団内部へのダニの侵入を防ぐことができます。表面は、定期的に掃除機などで吸い取っておきましょう。
防ダニ加工
布団クリーニングと一緒に、布団に防ダニ加工をしておくのも、ダニを減らすひとつの方法です。
デアの防ダニ加工では、薬剤を使った溶液を布団に吹き付けます。ダニを殺すような強い薬ではなく、ダニが近づかないようにする「忌避効果」のある薬です。肌や人体への影響はなく安全です。
その分殺虫効果はやや弱く、防ダニ加工を行うことで、半年から1年程度はダニの増加をふせぐことができます。
定期的なクリーニングを
とはいえ、予防していても、布団につくダニをゼロにすることは、生活している以上は無理なことです。布団の周りにダニがいる状態であると、またダニが寄ってきます。ダニの住まいとなるカーペット、畳などお家の環境を整えることも重要です。
いったんダニを駆除しても、半年後には元通りになってしまうというデータもあります。1シーズンに1回はクリーニングに出すのがおすすめです。
布団クリーニングに出す最適な時期やタイミングについては、以下の記事も参考になさってください。
まとめ
家の中でダニが一番多い布団。ほっておいて健康に影響が出る前に駆除しましょう。
徹底駆除には「殺ダニ・アレルゲン除去・予防」の3ステップ全てを行うことが肝心です。水洗いの布団クリーニングなら、殺ダニとアレルゲン除去を一気に手間なく行うことができます。ぜひお試しください。